ふぎと屋【溺書ブログ】

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【第3の態と責任】國分功一朗『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院)#31


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どーも、ふぎとです。
今日は國分功一郎『中動態の世界』を紹介するよ。

 


作品紹介


 「能動的に動け」「主体的に考えよ」。ビジネス書で
目にしがちな言葉だ。「能動的」とは、小学館『日本国
語大辞』によると「自分から他にはたらきかけるさま」
という意味らしい。「ではここで...」と著者が持ち出す
のは、「カツアゲの謎」である。
 ガキ大将が、クラスメートを追い詰めてお金を出させ
る。さて、この時「能動的」なのはどちらでしょうとい
うのだ。「自分から他にはたらきかけるさま」という辞
書の物言いにしたがえば、能動的なのはガキ大将という
ことになる。しかし、彼の言動には受動的な面が混在し
ている。そう、彼が「能動的に」出させてお金は、彼が
「受動的に」受け取っているのだ。この「カツアゲ問題」
から、著者は「意志」と「責任」とを問い直す旅へと向
かう。この時、旅のよすがとしているのが「中動態」と
いうキーワードだ。
 英語を学習する時、ぼくたちは必ず受動態・能動態を
学ぶ。しかし、この「能動⇔受動」の対立の構図は、全
ての言語に見られる、普遍的なものではないと著者は述
べる。さらに、歴史的に見ると、「能動⇔受動」より先
に「能動⇔中動」という二項対立があったと紹介。その
上で、「意志」とは、「責任」とはどういうものか、と
いう問いの核心に迫り、ぼくたちが思考する様式につい
て考え直すべきだと主張している。 
 ふだん慣れ親しんでいる観念に疑いを投げ掛けること、
それが本読みとしての「責任」なのかもしれない。


著者紹介:國分功一郎


 1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究
科博士課程修了。高崎経済大学を経て、東京工業大学
ベラルアーツ研究教育院教授。専門は哲学・現代思想
スピノザの方法』(みすず書房)、 『来るべき民主主
義』(幻冬舎新書)、『近代政治哲学』(ちくま新書)、
『民主主義を直感するために』(晶文社)など著書多数。
(出典:じんぶん堂)


この本をオススメしたい人


・教育や介護にかかわっている人
・本格的な思想書にチャレンジしてみたい人

 


ではでは今日はこの辺で。ふぎとでした。