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【妖怪モヤモヤ】京極夏彦『姑獲鳥の夏』(講談社文庫) #19


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どーも、ふぎとです。
今日は京極夏彦姑獲鳥の夏』を紹介するよ。

 

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

  • 作者:京極 夏彦
  • 発売日: 1998/09/14
  • メディア: 文庫
 


作品紹介


 すべての読書を「スッキリする読書」と「モヤモヤす
る読書」に分けるとすると、ぼくのなかで本書は後者に
入る。 現代ミステリの旗手、京極夏彦のデビュー作であ
る本作は、作中の「事件」こそちゃんと解決される。け
れども、「自分はひとりしかいない」という幸福感(な
ぜ幸福なのかは、読んでもらえればわかる)と、「えも
いわれぬ問い」とを読者(少なくとも僕)の中に残してい
くような感覚があった。


 あえて言葉にするなら「われわれは、いったい何をみ
て生きているのだろうか」、ということになろうか。何
がほんとうに「在る」のか、答えの出ない思索に耽りた
いという気分にさせられるのだ。それでいて、ちゃんと
物語として面白くなっているというのが、また不思議だ。
面白いのにモヤモヤする、モヤモヤするのに面白い。そ
んな「存在論オントロジー)の物語」となっている。


著者紹介:京極夏彦


 小説家、グラフィック・デザイナー。北海道小樽(お
たる)市生まれ。桑沢デザイン研究所を経て、広告代理
店に勤務の後、制作プロダクションを設立。現在もアー
トディレクターとしてデザイン、装丁を手がける。世界
妖怪協会・世界妖怪会議評議員、国際日本文化研究セン
ター客員研究員。作家としてのデビューは1994年(平成
6)の『姑獲鳥(うぶめ)の夏』。20か月も妊娠したま
まの妊婦と、密室から忽然と姿を消したその夫の謎をめ
ぐり、神主にして陰陽師(おんみょうじ)であり、古本
京極堂の店主でもある中禅寺秋彦うつ病気味の作家
関口巽(たつみ)のコンビを中心に、他人に見えないも
のが見える私立探偵榎木津(えのきづ)礼二郎、刑事の
木場修太郎といった面々が真相を探る本格ミステリーは、
緻密な構成力と幻想的な雰囲気で熱狂的なファンを獲得
する。京極夏彦の登場は、ある意味で日本のミステリー
界にとっては衝撃的な事件でもあった。驚きの理由の一
つ目は他を圧倒する分量と難解な蘊蓄(うんちく)の内
容を、物語の文脈で読ませてしまう作者の筆力だ。しか
もこの作品は初めて書いた小説であり、既成の新人賞
江戸川乱歩賞横溝正史賞など)に応募するにも規定
枚数がオーバーしており、そこでやむなく出版社に持ち
込んだものであった。この二つの事実にしてからが、す
でにそれまでの常識を破っていた。つまり、どれほど長
いものであれ、面白ければ売れるというきわめて単純明
解な事実を改めて浮き彫りにしたのである。そしてもう
一つ。彼の作品は本格ミステリー・ファン以外の幅広い
読者層、それもとくに若い女性に受け入れられ、その人
気は凄まじいものがあった。このような売れ方をした作
家は、京極夏彦が初めてであった。彼の小説の特徴は、
文章力はいうまでもないが、民俗学、宗教学、そしても
ちろん得意の分野である妖怪について、さまざまな角度
から考察を加えている部分にある。また必ずページの最
終行で文章を終わらせ、次のページへ文章が跨(また)
がらないという版面へのこだわりも個性的だ。
 彼の評価を決定的にしたのは京極堂シリーズ第二作の
『魍魎(もうりょう)の匣(はこ)』(1995。日本推理
作家協会賞受賞)からだが、その後も『狂骨の夢』(19
95)、『鉄鼠(てっそ)の檻』(1996)、『絡新婦(じ
ょろうぐも)の理(ことわり)』(1996)、『塗仏(ぬ
りぼとけ)の宴(うたげ) 宴の支度』『塗仏の宴 宴
の仕末』(1998)と矢継ぎ早に刊行し、いずれもベスト
セラーとなっている。また時代小説『嗤(わら)う伊右
衛門』(1997)は泉鏡花賞を受賞。2004年『後巷説百
物語(のちのこうせつひゃくものがたり)』(2003)で
第130回直木賞を受賞した。
小学館日本大百科全書』より)


この本をオススメしたい人


・妖怪物語が好きな人
・楽しく教養を身に付けたい人
・読みごたえのある作品が読みたい人

 

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

  • 作者:京極 夏彦
  • 発売日: 1998/09/14
  • メディア: 文庫
 

 


ではでは今日はこの辺で。ふぎとでした。